こんにちは、今回は「1兆ドルコーチ|シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え」の紹介をしていきたいと思います。この本に書かれていることは、強力なリーダー論であり、最強のチーム作り、そしてコーチングを記したものとなります。
このビル・キャンベルという人物はアメリカンフットボールのコーチ出身でありながら優秀な経営者。シリコンバレー中の企業に空前の成功をもたらした伝説のリーダーと評されています。彼がコーチした人物はインテュイットの元CEOブラッド・スミス。イーベイの元CEOジョン・ドナホー。元アメリカ副大統領アル・ゴア。フェイスブックの元COOシェリル・サンドバーグ。等一部に過ぎませんが、錚々たる名前が上げられます。本書は全6章280ページで構成されていますが、物語調になっており非常に読みやすくなっています。主にリーダー論がメインになっていますが、一会社員としても役立つ内容です。
本書を通してビルがもっとも大事にしていることは「人」です。どんな会社の成功をささえるのも「人」だ。マネジャーの一番大事な仕事は、部下が仕事で実力を発揮し、成長し、発展できるように手を貸すことだ。それは「支援」「敬意」「信頼」である。と言ってるんですね。
部下に力を発揮してもらうには為に、ビルは「旅の報告」というものを始めます。チームメンバーの連帯感を高めるために、仕事以外のプライベートな話題からミーティングを開始します。現代の社会ではプライベートに踏み込まれるのを嫌う傾向があるので、注意が必要そうです。またビルは「アンサンブル」の状態を好み、駆け引きのない環境を保つように気を配っていました。「アンサンブル」とは適材適所でリーダーたちが入れ替わり、適宜チームを率いることです。コンセンサスを目指すと「グループシンク(集団浅慮)」に陥り、意思決定の質が低下することをビルは直感的に理解していました。そしてビルはブラッド・スミスがインテュイットCEOに就任した際に「アーサー王の円卓型意思決定モデル」を教えたそうです。それは「マネジャーの仕事は、すべての意見を吸い上げ、すべての見解を検討するための意思決定プロセスを実行し、必要な場合には自ら議論に決着をつけ、決定を下すことだ。」大事なことは、部下が自力で最適解にたどり着くため何をすれば良いかということです。
しかしマネジャーのほとんどが抱える問題として俗に言う天才と呼ばれる人がいます。天才たちはとてつもない価値と生産性を実現する力を持っている反面、特大のエゴと脆さを持っています。いったいどうやって対処するのでしょうか?それはあくまでもチームを優先することが大事です。規格外の天才がチームより自分をつねに優先させる状態であれば除外することが正しいのです。
プロダクトに関してもビルは可能な限り早く出せと言っています。何よりスピードが大事だと。これは現代の社会でも同じことが言えます。20%~30%で世に出し、そこからフィードバックを受けブラッシュアップしていきます。
またビルは正直で謙虚な人材こそがチームには不可欠だと言っています。それはリーダーにも必要な素養で「優れたリーダーは時間をかけて成長する、そしてそのリーダーシップをつくりあげるのはチームだ。」と信じていました。信頼に関してはこうも言っています。「すべきことを指図するな」あくまでもチームや部下を信頼して自ら解決するよう導くのだと。ビルは本書の全体を通して「人」として正しくあれ、そしてチームファーストを何より大切にしろと言うことを伝えています。当たり前のことも多く書かれていますが、日本でも外国でも普遍的なものがあるということがわかります。現在リーダーである人、またはリーダーを目指す人には非常に勉強になる1冊だと感じました。
おわり
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