さて、さっそくですが皆さんはしっかりとした睡眠は取れているでしょうか?経済協力開発機構(OECD)による平均睡眠時間の調査によると、日本の睡眠時間はOECD30ヵ国中ワースト1位。世界的に最も睡眠時間が短い国となっています。最近では睡眠負債という言葉も出てきました。これは日々の睡眠不足が借金のように積み重なり、心身に悪影響を及ぼすおそれのある状態のことです。これが続くようですと集中力が低下し生産性が低下します。これでは仕事で良いパフォーマンスを発揮できるはずがありません。それだけではなく生活習慣病のリスクが飛躍的に高まります。ここでは睡眠不足や睡眠障害、睡眠負債がどういう影響を与えるのかを知り、次の日の仕事へのパフォーマンスを最大限に発揮できるような方法をご紹介していきます。
まず、睡眠不足が健康に悪いというのは、なんとなく知っていることと思います。仕事面にしても、睡眠時間が少ないと翌日の仕事でボーっとしたりうっかりミスをしたり、やる気が出ないなど経験がある人も多いかと思います。というのも、6時間睡眠を14日間続けると48時間徹夜したことと同程度の認知機能になるとういう研究もあります。
また、医学誌「ランセット」に掲載された研究によると、睡眠不足の医師は、十分な睡眠をとった医師に比べて業務を完了させるのに14%長くかかり、ミスする確率は20%以上も高くなりました。睡眠不足で本来持つ自分の能力の1~2割も低い能力で仕事をするわけですから、はかどらないはずですよね。では、何時間寝れば良いのでしょうか?それは「質の良い睡眠を7時間とる」ことです。なぜかというと世界中で様々な睡眠研究が行われていますが、ほとんどが「睡眠時間6時間以下」とそれ以上を比較しているからです。
ここからはどうすれば睡眠が改善できるのかをまとめました。
睡眠に悪い生活習慣の改善
睡眠不足も睡眠障害も重要なのは「生活習慣の改善」です。悪い生活習慣をやめて良い生活習慣を増やすことが改善につながります。具体的には寝る2時間前以内にブルーライトを浴びないことです。現代においてブルーライトを発する機械はたくさんあります。パソコンであったり、テレビやゲームなどがそうです。ですが一番の要因はスマホです。なぜブルーライトがダメかというと、ブルーライトは青空の波長、昼の波長と言われていて脳が「今は昼だ」と錯覚することが原因といわれています。寝る前はスマホを見る時間を減らす、電源をオフにする、寝室に置かない等の工夫をして睡眠の質をあげましょう。
睡眠に良い生活習慣
睡眠不足等を解消するには良い生活習慣に改善することと上記でも記載していますが、どんな良い生活習慣があるのでしょうか。まず一つ目が入浴です。スタンフォード大学の西野精治先生の研究によるとぐっすり眠るための最も重要な方法は「寝る前の90分入浴」であると推奨しています。深い睡眠に入るためには「深部体温が下がる」ことが必須です。お風呂からあがると、気化熱で深部体温が徐々に低下し90分経つと深部体温が下がった状態となり、一気に深い睡眠に入り、成長ホルモンが分泌される。そして最高の睡眠が得られるということになります。
二つ目が運動です。オレゴン州立大学の研究によると、1週間に150分の運動を行うことにより、睡眠の質が65%改善、日中の眠気が65%減少、日中の疲労感や集中力が45%も改善しました。1日20分程度の運動で睡眠の質が改善されるのです。またアパラチアン州立大学の研究によると、午前7時、13時、19時に運動する3つのグループに分けて睡眠パターンを調べた結果、午前7時のグループが一番睡眠の質が良かったそうです。ベストの運動時間は朝ということになります。
週末の寝だめは健康に悪い?
やっと迎えた週末のお休み。昼まで眠って1週間の睡眠負債を返済するぞーっと意気込んでいるあなた、結論をいうと週末2日では返済することはできません。というより健康という意味ではむしろ悪いです。
ウォルター・リード陸軍研究所の研究によると、平日の睡眠不足で蓄積された注意力の低下は、3日間、8時間睡眠をとっても、もとのレベルには回復しないことが明らかにされました。例えば、朝6時起きで固定されていた体内時計が、土曜日、日曜日の2日間とも11時まで寝ていた場合、睡眠中央値で3時間うしろにずれます。これをソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)といいます。月曜日の朝つらいとかきついと感じる要因はこれにあたります。
良い睡眠は記憶力を最大化させる
日中に覚えたことを、記憶として定着させるには、6時間以上の睡眠が必要です。ハーバード大学のスティックゴールド博士は、コンピューター画面に図形を次々に表示し、その向きを瞬時に答えさせるテストを学生たちにさせました。そして、その後「睡眠群」と「徹夜群」にわけて学習結果を7日間追ったところ、「睡眠群」のグループの方がより良い成績をおさめたそうです。徹夜で受験勉強や仕事をするということは非常に効率の悪い勉強法であり、仕事術であるといえます。
まとめ
仕事で結果が出ないやなかなか仕事を覚えられない、またやる気が出ないと思いながら日々仕事に向かっている人ってたくさんいますよね。そんなときは睡眠時間や睡眠の質を改善してみてはいかがでしょうか。サプリ等に頼らず運動・入浴・寝る前の習慣で簡単に改善することができます。しっかりメンタル面を鍛えて結果を出せる仕事人になりましょう。
おわり
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