こんにちは、shigeです。前回の続きを始めたいと思います。前回の前半部分では、自分の性格を理解すること。そしてその判別方法を知るテストをご紹介させていただきました。後半部では、自分を変えることができるのか?人生を通して達成したいことの見直しなどが記載されています。それではよろしくお願いします。
別人を演じる
例えば、お客様の前やはじめて会った人など、あなたはいつもと違う自分を演じていませんか?「いったいどれが本当の自分なんだろう?」と疑問に思うこともあるかもしれません。この答えを本書ではどちらも本当の自分であると言っているんですね。その理論はこういうことで、
私たちのパーソナリティは、現実世界を内側と外側の両面からとらえています。内側の現実は、私たちがその時に追い求めているもの(パーソナル・プロジェクト)で構成されています。外側の現実は、私たちが意識的・無意識的につくりあげている“他社から見た自己”のイメージで構成されています。
ここで書かれている内側と外側のパーソナリティに結びつく行動を動機付ける要因は3つあります。1つは「遺伝的動機」です。遺伝的動機は、生まれ持った気質から生じます。その違いは新生児のときから見られるそうです。近くで大きな音を立てると、音の方に近づこうとする新生児と、音から遠ざかろうとする新生児がいます。音に近づく新生児は外向型に、音から遠ざかる新生児は内向型になることがわかっています。
2つ目が「社会的動機」です。私たちは生涯を通じて、さまざまな状況下での「社会的に適切な振る舞い」を繰り返し学習し、自然と適切な行動をとるよう学びます。一般的に、アメリカでは外向型が高く評価されます。逆に内向型はアジア圏に多く見られます。良く言えば空気を読む、悪く言えば周囲に合わせて目立たないよう振る舞うということです。
3つ目は「個人的動機」です。これは、私たちが生活の中で追求している計画や目標と深く関連するその人特有の動機です。この計画や目標というのは、例えば毎朝30分散歩をするやお金を貯めて早期リタイアするなど人によって様々です。仕事の内容により本人の性格とは違う行動をとる事は多々あると思いますが、本書では別人を演じることの代償について考察しています。サービス業でのいつでも笑顔で接客することや、普段温厚な人が法律事務所での強気な態度が求められることなど、本来の自分とは違う自分を演じ続けていくことで、健康に悪影響を生じやすくなるという研究結果も出ています。こうしたデメリットを減らすために「回復する場所」を見つけると良いそうです。内向型の人はトイレや車の中などの一人なれる場所であり、外向型は友達と遊びに行くなど、その人によって対策は色々あります。
主体的に人生を生きる
みなさんは、運命を決めるものは何だと思いますか?自分の行動でしょうか、それとも自分ではどうしようもない外部の力でしょうか。ここでは省略しますが、心理学用語で「ローカス・オブ・コントロール」と呼ばれるものがあります。このテストのスコアにより、問題を自分でコントロールできると考えている人を「自己解決型」、他者や環境に依存する人を「他者依存型」と呼びます。また多くの研究結果では、「自己解決型」の方が、幸福度や成功に大きくプラスの影響をもたらすことがわかっています。「自己解決型」の特徴として、同調圧力に流されないことがあげられます。また他者の影響を受けにくく、正当な技能に基づいたパフォーマンスに多くの労力を投じる事がわかっています。まとめると、「自己解決型」の人は、他人の言動に流されず、リスクを回避し、目標を達成するためにしっかりと計画を立てれます。
性格は寿命も左右する
1960年代半ば、精神科医のトーマス・H・ホームズとリチャード・H・レイが、ストレスや健康問題の疫学的研究用に単純な尺度を開発しました。この尺度の基本的考えは、「ストレスは、さまざまなライフイベントによって、日常的な行動が妨げられることから生じ、健康問題に影響を与える」というものでした。この尺度には効果的な側面もありますが、問題点もあります。例えば結婚や昇進などのポジティブな出来事をストレス要因に感じる人もいますので、誰にでも当てはまるということではありません。日常生活にストレスはつきものです。しかし、ストレスを避けてばかりで、人生に積極的に関わろうとしなくなるのは健全な考えとはいえません。ライフイベントに対し、人によって同じ苦境でもくじけない人がいます。これを心理学者サルバトーレ・マッディは「ハーディネス(心のタフさ)」と呼びました。ハーディネスは、すべてアルファベットの「C」で始まる「コミットメント」「コントロール」「チャレンジ」の3つの要素で構成されています。コミットメントとは、日々の出来事に積極的に関わる態度を意味します。コントロールとは、ライフイベントに対して積極的に働きかけようとする態度を意味します。チャレンジは、いい変化であれ、悪い変化であれ、これを成長と新たな学びの機会としてとらえようとする態度です。この3つがパーソナリティの中心にあると健康は高まると結論付けています。
クリエイティビティは「才能」ではない
みなさんがこれまでの人生の中で出会ってきた、もっともクリエイティブな人たちを思い浮かべて下さい。研究者の多くは、「クリエイティブとは、新規かつ実用的なアイデア、モノ、プロセスなどをつくった人」だと考えています。ですので、単なる目新しさはクリエイティブとは呼びません。しかし、クリエイティビティが優れているからといって、決して平凡な人と比べて知能が高いというわけではありません。クリエイティブな人の高校時代の成績がどうだったかというと、全てが優秀だったわけではなく、その人が得意な分野の成績が良かった傾向があるそうです。またクリエイティブな人たちにはいくつかの共通点がみられました。子どもの頃に家族から尊重されていたこと、自分の好きなことをさせてもらえたこと、自主性を育んだこと、引っ越しの回数が多いことなど、クリエイティブな人の子ども時代には、個人の感覚や自律性を尊重する、感情的・知的に自由である、などの共通点があります。心理学者ハリソン・ゴフはクリエイティブな人についてこう考察しています。
クリエイティブな人には次の特徴が見られた。社会的地位にふさわしい資質や属性を有していること。他者との関わり合いにおいて、落ち着き、自発性、自信が見られること。ただし、とくに社交的ではなく、人の集まりに積極的に参加するタイプでもないこと。
クリエイティブな人に内向的な傾向があるという他の研究結果と併せて考えると、彼らは人間関係に積極的ではないと見なされることがあります。このあたりにクリエイティブな人が気難しいや扱いづらいといった印象を与えてしまうのです。良くも悪くもクリエイティブな人が独創的であることには疑いようがありません。本書では、心理学を通して自分がどういった人間なのか、またそれを知る方法、そして今後の人生にどう活かしていくのかなどが記載されています。会社内や顧客にも様々な人がいます。それらを俯瞰して見ることで、人間関係の構築にも役立つのではないでしょうか。
おわり
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