みなさん、こんにちは。shigeです。今回は前回の「ORIGINALS」の続きとなります。それではよろしくお願いします。
地位と権限の法則
組織の上司は、部下がみずから率先して行動することをありがたく思います。ですが、実は率先して行うと不利になる行動が一つあります。それは「提案をすること」です。ある研究では上司に向かってアイデアや問題を頻繁に意見すればするほど、二年以内に昇給や昇進を受ける可能性が低くなっているという研究結果が出ています。
「権力」とは、統制力や他社に対する権限の行使が関わっていて、「地位」は他社から賞賛や尊敬されることを意味します。ノースカロライナ大学教授のアリソン・フラゲイルの実験では、地位のない人が権力を行使しようとすると非難されることが分かりました。上司からすれば意見ばかりしてくる部下がうとましく感じるんですね。それが正しい意見であってもです。意見を通したいなら、まずは地位を勝ち取ること。すなわち居場所を作ることが重要となります。
聞いたことがある人も多いとは思いますが、何を言ったかではなく誰が言ったかという話しと同じ理論に感じます。しかし、問題をどうにかしたいと思うときがあると思います。その状況を変える方法は、二種類だと言っています。それは、「離脱するか」「発言するか」だけだと。私たちにできることは、声を上げつつ、リスクを許容度をしっかり把握し、必要であれば立ち去る為の準備をしておくことも著書では大切であると提示しています。
賢者は時を待ち、愚者は先を急ぐ
現代では効率性や生産性を重視して仕事に取り組めと会社からまたは上司から言われることが多々あるかと思います。しかし、もしかしたら先延ばしにする行為がいいアイデアにつながるとしたらどう感じますか。これも研究されていて先延ばしにした方が創造性が高い結果がでているそうです。
しかし、これは必ずしも効果があるわけではなく、もともと大きな問題を解決する意欲をもたない従業員は、先延ばしをしても問題解決が遅れただけで、情熱のある従業員は先延ばしにすることが創造性のきっかけになったというわけです。この先延ばしは、クリエイティブな仕事には特に有効であることがわかっています。本書ではキング牧師の「ゲティスバーグ演説」を例にあげ説明していますが。例えば、ブログだったりイラスト、広告を作成する時など、取りかかったあとは一旦その作業から離れます。そうすると、「ツァイガルニク効果」を受けることができます。これは旧ソ連の心理学者ブルーマ・ツァイガルニクが発見した心理的効果で、達成した課題よりも達成できなかった課題の方をよく覚えているという効果です。中断されたり未完成の状態であれば、頭の片隅で生きつづけふとした時に浮かび上がってきます。それが良いアイデアとして、また良い作品として世に出ていくことになります。
またビジネスのタイミングにおいても先発者より後発者の方が失敗率が格段に下がるという研究結果が出ています。私たちはなぜか先に行く者が利益を得るということを強く信じています。後発者は人まねというふうに言われることがあるかもしれませんが、ここではオリジナルであるには先発者である必要はなく、他よりも優れているという意味でオリジナルと言っているのです。その他にも後発者の方が成功しやすいと考えられる理由があります。後発者であれば先発者の様子を探りながら、タイミングを待ちます。そして、市場の過熱ぶりが冷めたところまで待ち、成功の確率を高めていきます。最初に行動を起こしたからといって成功の確率が高くなるわけではないということですね。
「誰と組むか」が勝敗を決める
似た者同士だからこそ敵意を抱くことがあります。共通の目標がグループを分裂させてしまうことが多いそうです。これを本書では「横方向の敵意」と言い、ここではビーガン(動物性由来のものはいっさい口にしない厳格な菜食主義者)とベジタリアン(菜食主義だが、乳製品や卵などは食べる人もいる)を比較した結果、ビーガンのベジタリアンに対する偏見は、ベジタリアンのビーガンに対する偏見に比較して三倍も多かったようです。より過激なビーガンたちの目にはニセモノに映ったのでしょう。オリジナルな人が成功するには、「節度ある過激派」になることが必要だといいます。
しかし、過激であればあるほどこちらの要求は聞き入れてもらえるはずもありません。そんな時は、心理学者ロバート・チャルディー二の「フット・イン・ザ・ドア(足を開いたドアの隙間にはさみ入れる)テクニック」を使うと良いようです。まずは小さい要求を出し、足がかりを確保してから大きい要求を出すというテクニックです。これは、上司や顧客に使えるのはもちろんですが、彼女や奥さんにも有効なのではないでしょうか。
みなさんは「フレネミー(フレンドとエネミーを足した造語)」という言葉を知っていますか。ときには応援してくれるが、またあるときは邪魔をしようとする人たちの事で、この関係が一番厄介だと言っています。態度が一貫しない人との付き合いは、感情的なエネルギーをより多く消費することが研究で分かっているからです。つまり、このフレネミーを切り捨て、敵を味方にするよう動いた方が良いとのことです。最高の味方になるのは、はじめは反対していたが、しだいに味方になってくれた人たちです。何かヒーロー漫画に出てきそうな展開ですよね。
いかがでしたか。これでORIGINALSのレビューを終わりにしたいと思います。この本を通して、オリジナルな人とはどういう風な考え方をし、どういった行動を起こしているのかを様々なエピソードや研究で飽きさせずに読み進めていくことができます。今回パート①、パート②でご紹介したものは一部です。これからの生き方に大きな影響を与えること間違いなしの一冊です。
おわり
コメント